「嫌われる勇気」危険か?一回は必ず読むべき。28歳の学びをご紹介

目次

ベストセラー「嫌われる勇気」をご紹介。

岸見一郎氏著、「嫌われる勇気」。
ベストセラーの本。

この本を読了したので、

  • 危険思想か?
  • 読むべき人は?
  • 著者が学んだこと

この3つ視点で紹介していきます。

結論としては、近年稀に見る
読みやすく劇的な内容だったので
正直誰にでも勧められる、
というのが正直な感想です。

つかみを添えておきます。

この本では人生における悩みは
全て人間関係が由来である、と豪語しています。
僕はこれを見た時、「あ、これは真理だな」と思いました。
その理由の展開も納得させられるものでした。

「嫌われる勇気」危険な考え方か。

「嫌われる勇気」は、自己肯定感を高め、
人間関係の悩みを解決するヒントを与える本として知られています。
しかし、その考え方が誤解されると「危険だ」と批判されることもあります。
では、この本の思想は本当に危険なのでしょうか?

相手を尊重できれば、危険ではない

「嫌われる勇気」で強調されるのは、

「他人の評価に左右されず、自分の生き方を選ぶこと」

です。
この考え方自体は非常にポジティブですが、
それを他人に押し付けると問題が生じます。

たとえば、
「嫌われてもいいんだから
自分の意見を押し通していい」
と誤解すると、
他者を傷つけたり、孤立する原因となり得ます。
重要なのは、自分が自由であると同時に、
相手の自由も尊重することです。

このバランスが取れれば、
決して危険な思想ではありません。

引きこもりの例

「嫌われる勇気」の考え方は、
引きこもりや社会不安に
悩む人への支援にも応用されています。
たとえば、引きこもりの原因を
「過去の出来事」に求めるのではなく、
「現在の目的」に着目します。

本書(もしくはアドラー心理学)では
明確に原因論的な「トラウマ」を否定します。
本書では、いわゆる引きこもりの例が登場します。

引きこもりは、いじめられたという
「過去の原因のせい」で引きこもっているのではなく
外に出ることで自分が傷つくのが怖いから
失敗を避けたいという「目的」がある、と説きます。

ある種本当のことかもしれませんが、
引きこもり本人に伝えても
反発があるだけで何も解決しないでしょう。

自分が正論と思っていることを
相手に一方的にぶつけて
勝った気になっている状態こそ
危険な状態です。

引きこもりの目的を踏まえた上で

自分が最大限の援助をする
=自分が行動をする、行動を変える

ことで相手の行動を変える
という点が大事なミソだと思っています。

他人を変えることはできず、自分の行動を変えるしかない

「嫌われる勇気」が説くのは、大事なことは
自分の行動を変えられるということ。

「嫌われる勇気」で得た知識や方法論を
他人に布教するのも良いですが
肝心なのは自分がどう行動するか。

「人に説くためのアドラー心理学」というよりは
「自分の人生を見つめ直すためのアドラー心理学」
とあくまで矛先は自分であることを心得る必要があります。

要するに「他責」ではなく、「自責」。

筆者の周りの偉い人たちも
基本的には自責が根本にあると思います。

というのも
人のせいにしたところで
何も変わらないから。
自分の行動を変えることで、
他人の行動も変える。

社会人の考え方としても
他責より自責の方が、うまくいく
と日々感じています。

ストイックもほどほどに

とはいえ
あまりに「自分が悪い」
と思いすぎると、
それは仕事が辛くなる危険な状態です。

あくまで前向きに。
ときには友人などに愚痴る、等
ストレス発散することも大事です。

「嫌われる勇気」該当したらぜひ読むべき人!

この本は、特に以下のような悩みを持つ方におすすめです。

  • 人間関係が悩ましい人
  • お世話好きで、逆に自分が苦労した経験のある人
  • 単純に興味がある人

やはり、人間関係に悩みがある人こそ
一読する価値があります。

ベストセラーとしての読みやすさも
読書好きとしてはおすすめですが
大事なのは中身。

この意味では、
多かれ少なかれ発見がある書籍として
「嫌われる勇気」をお勧めしたいです。

人間関係が悩ましい人

職場や家庭、友人関係でストレスを感じている方は、
「嫌われる勇気」で紹介される
「課題の分離」の考え方に
救われるかもしれません。
他人の評価や期待をすべて受け入れる必要はなく、
自分の課題に集中することで、
余計なストレスを軽減できます。

お世話好きで、逆に自分が苦労した経験のある人

「相手のために」と尽くしすぎて、
自分が疲れ切ってしまった経験はありませんか?
この本は、

「他人の課題に介入することは、相手の自立を妨げることになる」

という視点を教えてくれます。
自分の負担を軽くしつつ、
相手を尊重する新しい考え方を
得られるでしょう。

単純に興味がある人

  • アドラー心理学に興味がある
  • ベストセラーを読みたい
  • 読書を趣味として始めたい

本書は、さすがベストセラーだけあって
大変読みやすく、内容も面白いです。

哲学者と青年の対話形式になっており
読書していると眠くなる筆者としては
珍しく、次の展開が気になって
一気に読んでしまいました。

「嫌われる勇気」から著者が学んだこと。

「嫌われる勇気」を筆者が読んで
得られた主要な学びを4つ紹介します。

因果論と目的論

アドラーは、
「過去の出来事が今の自分を作る」
という因果論を否定し、
「現在の目的が行動を決める」
という目的論を提唱しました。

この考え方により、
「過去にとらわれず、自分の未来を選ぶ」
自由を得られるようになります。

例:嫌な人間関係との付き合い方

職場の人間関係、満足していますか?
やはり一人くらいは、
なんとなく相性悪い人と
仕事をしなければいけないことはあります。

上司に過去にひどく叱られたとか、
指摘が細かすぎるとか、
様々な理由が原因で
人を嫌いになることはありますよね。

以後、その人の行動が正しかろうと
間違っていようと気に食わなくなります。

しかし、アドラー心理学では
この原因論な的な考えを否定します。

その人を嫌っていたい、
自分は正しいと思っていたい、
という目的ありきで、
過去のイベントを思い出しているだけ。

本書を読んで以来、
筆者が職場で腹立たしいことがあっても
怒っている自分へのチクリとした
違和感が拭えなくなりました。

このあと、
腹を立てたまま何もしないか、
素直に自分の行動を変えるのかは
100%自分にかかっています。

課題の分離

人間関係をスムーズにするカギは、
「自分の課題」と「他人の課題」
を分けて考えることです。

たとえば、
相手にどう思われるかは相手の課題であり、
自分の課題ではありません。
この視点を持つことで、
人間関係の悩みを軽減できます。

引きこもりの例では、
社会に出られるよう周りが
援助することはできるが
「引きこもり自身が最終的に社会に出るか」
は周りが決めることではなく、
本人が決めるしかないのです。

本記事を読んでいただいている方は
引きこもりとは無縁かもしれませんが
職場でも、同様と思います。

自分が抱えている課題や問題は
所詮自分が解決するしかなく
その課題を超えた先には
もはや自分以外誰かの課題になっている。

それは上司から頼まれた
仕事なのかもしれないし
後輩の教育、同輩とのいざこざなのかもしれない。

しかし、
自分がやるべきことをやり終えていれば、
あとは自分ではない誰かの課題。
自分は、他の問題・やるべきことについて
頭を使えばよろしい。

と筆者は考えています。

人生の嘘

アドラーにとって、
人間の行動は目的論的であり、
「何のためにそうするのか」
という目的が根底にあるとされます。
しかしその目的が「本当の目的」ではなく、
「作られた口実」であることがあります。
このときの偽りの目的や思い込みが、人生の嘘です。

この嘘に気づき、
それを乗り越えることで、
本当に自分が求める人生を
追求できるようになります。

「私は不幸な家庭に育ったから、うまくいかない」

たしかに、過去にどのような家庭で育ったかという経験は、
人生にネガティブな影響を与えることがあります。

しかし、アドラーは
「人は環境の影響を受けるが、
決定するのは自分自身である」と。

つまり、

「不幸な家庭に育ったから私はうまくいかない」

と言っているうちは、
過去の経験を言い訳にして、
自分自身の行動や選択から
目を背けている状態だということです。

それはまるで、
過去に責任を押しつけて
今を諦めている姿とも言えます。

「うまくいかないことの責任」を
過去の環境に預けてしまえば、
今努力しなくてもいいから、
という真の目的が隠れている。

とても厳しい視点ですよね。
本当に家庭に恵まれたなかった人に対し
上記の論をぶつける勇気は筆者にはありません。
※なお、作中登場人物は
こういうドキッとするような
けっこう激しい議論を交わしています。

人生のタスク

アドラーは、
人生には「仕事」「交友」「愛」の
3つのタスクがあるとしています。

それぞれに挑戦し、バランスを取ることで、
幸福な人生が築かれるという考え方です。
特に「愛」のタスクでは、
相手と対等であることが重要とされています。

この愛のタスクは下記の続編で詳しく書かれています。

ここでは各タスクの詳細自体ではなく、

  • 人生という過程で人間関係は必然的に発生するものである
  • 人間関係が人生における悩みの原因である

という2つの特徴を述べるにとどめます。

人間関係に関する悩み・問題こそ
「人生のタスク」という
壮大な名前に値することの意味を
噛み締めたくなります。

つまり、自分が直面している問題は
「人生のタスク」なのだから
悩んで当然、難しい問題であると
少し勇気が湧きます。

まとめ:一回は読むべき。学んだことは多々。

「嫌われる勇気」は、
人間関係や自己成長に役立つ
多くの示唆を与えてくれる本です。

最初に紹介したように
この書籍を読んで
何か発見した気になってしまい
他人に押し付けてしまうと
それこそ人間関係が
悪くなってしまうかもしれません。

際どい論点だからこそ自分に

ある意味危うい点をはらむ議論だからこそ
どうしても怠けてしまう自分や
人間関係に悩める自分に対しての
ヒントになるのではないでしょうか。

アドラー心理学を人に説くという方向性では
ガチの喧嘩になってしまいそうな
危険性のあり、憚られるような内容でも
自分に向ける分には有用な内容もあります。

書籍に記載されていることを
最終的にどのように活用すべきかは
あなた自身に依ります。

ただ、いずれにしても
まずアドラー心理学を知らなければ
使いようも何もありません。

「嫌われる勇気」は
まずアドラー心理学を知るのには
うってつけの書籍ですし、
学問的な意味でのアドラー心理学も興味深いですが
実用的な意味で人間関係を振り返り
これからどのように生きていくのか
省みるいいきっかけになるかもしれません。

このため、
どなたが読んでも損はなく、
万人におすすめできると筆者は考えています。

「アドラー心理学」の考え方を正しく理解し、
日々の行動に取り入れることで、
より自由で充実した人生を
送るヒントが得られるでしょう。

本記事で説明したことは
あくまで概略と筆者が学んだことにすぎません。
ぜひ一度手に取って読んでみてください!

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この記事を書いた人

2025年現在、28歳。中小企業に5年間勤め、設計から開発までやっているシステムエンジニア。日々の生活を良くするために、エンタメやライフハック、読書で得られた知見をお伝えします。日々の気づきや生活がより豊かになった体験談なども発信。

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