「嫌われる勇気」危険思想か?読むべき人へ、学んだことを紹介。

目次

ベストセラー「嫌われる勇気」をご紹介。

岸見一郎氏著、「嫌われる勇気」。ベストセラーの本。
この本を読了したので、危険思想か?読むべき人は?著者が学んだことの3つ視点で紹介していきます。

結論としては、近年稀に見る
読みやすく劇的な内容だったので正直誰にでも勧められる、というのが正直な感想です。

つかみを添えておきます。

この本では人生における悩みは全て人間関係が由来である、と豪語しています。
僕はこれを見た時、「あ、これは真理だな」と思いました。
その理由の展開も納得させられるものでした。

「嫌われる勇気」危険な考え方か。

「嫌われる勇気」は、自己肯定感を高め、
人間関係の悩みを解決するヒントを与える本として知られています。
しかし、その考え方が誤解されると「危険だ」と批判されることもあります。
では、この本の思想は本当に危険なのでしょうか?

人に押し付けなければ、危険ではない

「嫌われる勇気」で強調されるのは、
「他人の評価に左右されず、自分の生き方を選ぶこと」です。
この考え方自体は非常にポジティブですが、
それを他人に押し付けると問題が生じます。

たとえば、「嫌われてもいいんだから自分の意見を押し通していい」と誤解すると、
他者を傷つけたり、孤立する原因となり得ます。
重要なのは、自分が自由であると同時に、相手の自由も尊重することです。
このバランスが取れれば、決して危険な思想ではありません。

引きこもりの例

「嫌われる勇気」の考え方は、
引きこもりや社会不安に悩む人への支援にも応用されています。
たとえば、引きこもりの原因を「過去の出来事」に求めるのではなく、「現在の目的」に着目します。

本書(もしくはアドラー心理学)では明確に原因論的な「トラウマ」を否定します。
引きこもりは、「いじめられたからなどの過去の原因のせい」で引きこもっているのではなく
「外に出ることで自分が傷つくのが怖いから失敗を避けたい」という目的がある、と説きます。

ある種本当のことかもしれませんが、
引きこもり本人に伝えても反発があるだけで何も解決しないでしょう。

このため、「人に説くためのアドラー心理学」というよりは
「自分の人生を見つめ直すためのアドラー心理学」
とあくまで矛先は自分であることを心得る必要があります。

「嫌われる勇気」該当したらぜひ読むべき人!

この本は、特に以下のような悩みを持つ方におすすめです。

人間関係が悩ましい人

職場や家庭、友人関係でストレスを感じている方は、
「嫌われる勇気」で紹介される「課題の分離」の考え方に救われるかもしれません。
他人の評価や期待をすべて受け入れる必要はなく、
自分の課題に集中することで、余計なストレスを軽減できます。

お世話好きで、逆に自分が苦労した経験のある人

「相手のために」と尽くしすぎて、自分が疲れ切ってしまった経験はありませんか?
この本は、「他人の課題に介入することは、相手の自立を妨げることになる」という視点を教えてくれます。
自分の負担を軽くしつつ、相手を尊重する新しい考え方を得られるでしょう。

「嫌われる勇気」から著者が学んだこと。

「嫌われる勇気」を読んで得られる主要な学びを4つ紹介します。

因果論と目的論

アドラーは、「過去の出来事が今の自分を作る」という因果論を否定し、
「現在の目的が行動を決める」という目的論を提唱しました。
この考え方により、「過去にとらわれず、自分の未来を選ぶ」自由を得られるようになります。

例:嫌な上司との付き合い方

職場の人間関係、満足していますか?
やはり一人くらいは、なんとなく相性悪い人と仕事をしなければいけないことはあります。
上司に過去にひどく叱られたとか、指摘が細かすぎるとか、
様々な理由が原因で人を嫌いになることはありますよね。
以後、上司の行動が正しかろうと間違っていようと気に食わなくなります。

しかし、アドラー心理学ではこの原因論な的な考えを否定します。

上司を嫌っていたい、自分は正しいと思っていたい、という目的ありきで、
過去のイベントを思い出しているだけ。

本書を読んで以来、
著者が職場で腹立たしいことがあっても
怒っている自分へのチクリとした違和感が拭えなくなりました。

このあと、腹を立てたまま何もしないか、素直に自分の行動を変えるのかは
100%自分にかかっています。

課題の分離

人間関係をスムーズにするカギは、「自分の課題」と「他人の課題」を分けて考えることです。
たとえば、相手にどう思われるかは相手の課題であり、自分の課題ではありません。
この視点を持つことで、人間関係の悩みを軽減できます。

引きこもりの例では、社会に出られるよう周りが援助することはできるが
引きこもり自身が最終的に社会に出るか、は周りが決めることではなく、
本人が決めるしかないのです。

人生のタスク

アドラーは、人生には「仕事」「交友」「愛」の3つのタスクがあるとしています。
それぞれに挑戦し、バランスを取ることで、幸福な人生が築かれるという考え方です。
特に「愛」のタスクでは、相手と対等であることが重要とされています。

この愛のタスクは下記の続編で詳しく書かれています。

ここでは各タスクの詳細ではなく、

  • 人生という過程で人間関係は必然的に発生するものである
  • 人間関係が人生における悩みの原因である

この2点において、人間関係に関する悩み、問題こそ
「人生のタスク」という壮大な名前に値することの意味を噛み締めたくなります。

つまり、自分が直面している問題は
「人生のタスク」なのだから悩んで当然、難しい問題であると
少し勇気が湧きます。

人生の嘘

「時間がないからできない」「失敗したら困る」という考えは、アドラーが言う「人生の嘘」です。
(これも目的論、できないことを目的にしている理由がある)
この嘘に気づき、それを乗り越えることで、
本当に自分が求める人生を追求できるようになります。

まとめ:ぜひ、読むべき。学んだことは多々。

「嫌われる勇気」は、人間関係や自己成長に役立つ多くの示唆を与えてくれる本です。
このため、どなたが読んでも損はなく、万人におすすめできると筆者は考えています。
「アドラー心理学」の考え方を正しく理解し、日々の行動に取り入れることで、
より自由で充実した人生を送るヒントが得られるでしょう。

本記事で説明したことはあくまで概略と筆者が学んだことにすぎません。
ぜひ一度手に取って読んでみてください!

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